雪花伽

たぬきと添い寝したい。

絵の解説(まやつき上)

「だからね、たとえ知らない絵があっても、調べないで」

……とは雫綺の言ですが、作中に出てきた絵を解説したいと思います。

ネタバレ注意です。

1.

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《目を閉じて》

オディロン・ルドン

 ルドンは印象派と同世代ですが、印象派には属さず、孤高の画家でした。(象徴主義に分類されることもあります。)

 詩人・ボードレールの詩集の挿絵で有名な通り、白黒のおどろおどろしい絵を描いていましたが、60代で結婚・子供の誕生、幸せの絶頂で色彩が花開きます。

 花瓶の絵など、色の使い方が素晴らしいです。

 

2.

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《人間の条件》

ルネ・マグリット

 三部作『美しい虜』『人間の条件』『野の鍵』のうちの一つです。

 「人は自分の内面の世界しか見ていない」というようなことを言っています。

 

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・《呪い》

 青空の絵です。はい。

 近代以前の画家は、絵画の内容をそのまま表すタイトルをつけていました。

 マグリットは題名も作品の一部として利用しました。題名と絵がかけ離れていることで、観客にギャップを感じさせたり、想像させたりしました。

 

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・《恋人たち》

 恋人を描いた甘い絵でありながら、どこか不吉さを感じさせます。

 マグリットはあまり自身の過去を語ることがありませんでしたが、思春期の頃、母親が入水自殺し、その遺体には白いネグリジェが絡まっていたといいます。

 

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・《巨人の時代》

・《陵辱》

 こんなバイオレンスな絵も描いていて、闇を感じます。

 

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・《光の帝国》

 昼と夜が同じ画面にあるという、現実ではありえない幻想的な光景を描いており、不思議な感じがします。

 

3.

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《我が子を食らうサトゥルヌス》

フランシスコ・デ・ゴヤ

 宮廷画家のゴヤは、スペインらしい陽気な絵で売れっ子の画家でしたが、鉛中毒で耳が聞こえなくなってから、別荘・聾者の家に飾る壁画群・黒い絵の一つとして描きました。

 サトゥルヌスは、ローマ神話で自分の子に殺されるという予言を恐れ、生まれた子を生まれたそばから吞み込みました。

 

☆おまけ

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・《ダナエ》

レンブラント・ファン・レイン

 作中には出てきませんが、曰くつきの絵です。

 ダナエとは、ギリシャ神話の英雄・ペルセウスの母で、孫に殺されるだろうという予言を受けた父に青銅の塔に幽閉されますが、黄金の雨に姿を変えたゼウスと交わります。

 リトアニア人の青年によって硫酸をかけられ、損傷するという事件がありました。

 この事件がきっかけで、美術館に液体が持ち込み禁止になったとか。

 

4.

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《人間は人間にとって狼である》

ジョルジュ・ルオー

 しんどい。

 

お疲れ様です。