雪花伽

たぬきと添い寝したい。

まやかしの月 下3-2

7-2.Fragile:こわれもの

続きを読む

簡単な一点透視パースの描き方・前編

以前、コピックの使い方講座を連載していましたが、

空間デザイナーの卵だった私がマーカーについて語る - 雪花伽

今回からは上級編です。

主にインテリアパースに使える技法を書いていきたいと思います。

 

というわけで、一点透視パースの描き方を解説します。

なんとなく遠近法が分かっている人向けですが、家具のサイズがきっちりと決まっている場合に正確なパースを描くことができます。

技法書ではまだ見かけたことがないので古いやり方なのか、それとも私の先生のオリジナルかもしれないのですが、

私はこれを使って仕事をしないので、どうせ忘れていくだけなので、ここに記録したいと思います。

 

用意するもの

・紙

・鉛筆

・画板(紙から線がはみ出しても大丈夫なもの)

・三角定規

・三角スケール

・描きたい部屋の平面図・立面図(なくても可)

 

三角スケールは建築をやらない人にとっては馴染みがないと思いますが、

1/100〜1/600を図面上で変換するのに便利な定規です。

 

1.基準線を引く

f:id:yukihananotogi:20170302165700j:plain

 三角定規で水平・垂直線を引きます。水平線は床レベルなので線F、垂直線は高さなので線Hということにしておきましょう。交わるところは原点Oです。

 見にくい写真ですみません。

 

2.部屋の横幅・高さを取る

f:id:yukihananotogi:20170302165914j:plain

 縮尺は1/20〜1/40で取ることが多いので、三角スケールの1/200〜1/400を使います。

 ちなみに描きたい絵の大きさに合わせて選んでください。

 今回は1/20が妥当でしょうか。ということで1/200を使うことにしました。

 今回は横幅3,500mm×奥行き3,500mmの部屋を描きます。線F上に3,500の印をつけます。

 高さも取ります。一般的な住宅だとh=2,400(mm)です。建築法的にはh=2,100が最低です。

 でも最近の家はh=2,700も多いので、線H上には2,700の印をつけることにしました。

 

3.部屋の枠を作る

f:id:yukihananotogi:20170302170016j:plain

 2の印から水平・垂直線を延ばします。

 この長方形が絵の入る枠になります。部屋の一番手前を輪切りにした地点です。

 

4.アイレベルを設定する

f:id:yukihananotogi:20170302170052j:plain

 まずアイレベルを取ります。

 インテリアの世界ではh=1,500と言われていますが、半分ってことでh=1,200にするときもあるし、

 家具の高さが高いときに画面がパッとしないだろうなって思ったら、高めに設定することもあります。

 私は自然な感じにしたいので、h=1,500が多いですね。H上に1,500の印をつけ、水平線を引きます。この線をアイレベルってことで線Eとします。

 

5.消失点を設定する

f:id:yukihananotogi:20170302170201j:plain

 平面図上のどこに立っているかを決めます。

 左側から1,500の地点に立っているということにしましたので、線F上に点Oから1,500の印をつけ、そこから垂直線を立ち上げます。

 この線と線Eと交わった点が消失点・VPです。

 それから、あまり視点を端にすると不自然なパースになるので、できるだけ中央に近いほうがいいです。

 

長くなってきたので続きは次回です。

お疲れ様です。

まやかしの月 下3-1

7-1.Metaphor of Violinist:ヴァイオリニストの比喩

続きを読む

『うそつき、うそつき』清水杜氏彦〜ぼくのやったことは正義だったのか

社会に殺された人々の話。

 

最近読んだ『ハーモニー』もディストピア小説でしたが、そちらは見方によればハッピーエンドとも言えるのに対し、こちらはひたすらに残酷。

 

国民全員に嘘発見器、通称「首輪」の着用が義務付けられた未来。

主人公のフラノは、そんな首輪を違法に除去する仕事で生計を立てている。

 

首輪の除去には死のリスクが伴っており、正義のために自分の技術を使う、というある意味若者らしい夢を持っていた主人公も、

依頼人を生かしたり殺したり、親友の死を経たりして、たくましく、また薄汚れていく。

 

首輪を外してほしいと依頼してくる人は大抵犯罪者なんですが、犯罪を犯していない普通の人もいます。

でも結婚詐欺師の女みたいに、犯罪者と言われる人のほうがなんか憎めなかったり、逆に一般人なのに胸糞悪い人がいたりするのが面白いなと。

 

この作品のテーマは「正義とは何か?」だと私は解釈しました。

『嘘』とはいっても、人を傷つけないための嘘などもあって、嘘には一概には悪と言えない部分があると思います。

依頼人の描写もその一つで、いいと言われているものは全部いいのか、悪いと言われているものは全部悪いのか、という揺らぎみたいな部分を問うている。

 

すごいのが、これだけ首輪が普及して嘘が見抜ける時代になったというのに、

ある登場人物2人の言っていることが真実か嘘か全く分からなくなってくること。

 

それにしても最近思うのが、ミステリー作家って推理小説じゃないものを書くときでもガチガチに伏線が張ってあって、ミステリー畑出身だってすぐ分かる気がします。

一応この作品はアガサ・クリスティー賞を受賞しているようです。

 

お疲れ様です。

まやかしの月 下2-5

6-5.Femme Fatale:宿命の女

続きを読む